[9日 ロイター] - 米バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)・グローバル・リサーチは9日、原油価格は将来的に1バレル=20ドルを下回るとの見方を示した。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の協調減産を巡る交渉が決裂し、サウジアラビアが価格競争を開始したことを受け、大手銀行の間で原油価格見通しの下方修正が相次いでいる。
バンカメ・グローバル・リサーチは2020年の予想について、北海ブレント先物 (LCOc1)は1バレル=45ドルとし、従来の54ドルから下方修正。米WTI (CLc1)は41ドルとし、49ドルから引き下げた。
サウジアラビアが原油の公式販売価格(OSP)を引き下げ、大幅増産の計画を打ち出したことを受け値下げ競争が始まるとの見方が浮上。原油先物は9日の取引で約30%急落した。
バンカメ・グローバル・リサーチのアナリストは「サウジが政策を急転換させたことは、向こう3四半期にわたる原油在庫の急速な積み上がりを容認することを示している。これにより、世界的な原油市場ではスーパーコンタンゴが発生する」と指摘。「価格戦争の標的が米国のシェールオイルの場合、原油価格下落は長期にわたる公算が大きい」との見方を示した。
21年の北海ブレント先物については55ドルとし、従来見通しから5ドル引き下げた。