[ワシントン 22日 ロイター] - 米野党民主党の大統領候補ジョー・バイデン前副大統領の顧問は22日、中国との完全なデカップリング(分断)は非現実的との考えを示し、バイデン氏が大統領に就任すれば、中国との経済およびテクノロジーを巡る関係をリセットし、不公正な慣行に対抗すると言明した。
バイデン氏のシニア外交顧問トニー・ブリンケン氏は「一部が提案しているような中国との完全なデカップリングは非現実的で、結果的に非生産的」と指摘。バイデン氏は同盟国との関係再構築やテクノロジーに関する国際基準の設定などを通じ、米国の戦略的影響の拡大に注力していくと述べた。
トランプ大統領は繰り返し、米中経済のデカップリングの可能性に言及しているほか、バイデン氏が大統領に就任すれば、弱腰な対中政策を取ると警告している。
ブリンケン氏はさらに、トランプ政権が実現した第1段階の米中通商合意は両国のシステミックな問題には対処しておらず、中国側は米農産品などの購入拡大に関する約束を果たしていないとし、「大失敗」と批判した。
その上で「現時点で中国の戦略的地位は米国に勝っている」とし、バイデン氏が米国の対中競争力の拡充に注力するとの見通しを示した。
また、「必要であればバイデン氏は関税を導入するだろう。しかし、戦略や計画に基づき、米国民に害を与えるのではなく、成功するために導入する」とした。
欧州については「世界最大市場である欧州連合(EU)との経済関係を改善する必要がある」とし、バイデン氏がトランプ大統領の仕掛けた「人為的な貿易戦争」を終結させ、米EU間の農業を巡る貿易不均衡に対処すると述べた。