[上海 23日 ロイター] - 中国国営英字紙チャイナ・デーリーは23日付の社説で、中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)傘下の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を巡り米オラクル (N:ORCL)とウォルマート (N:WMT)が締結したと主張する合意は「いじめと恐喝」に基づく「卑劣で不公正」なもので、中国政府が承認する理由は何もないと論じた。
「米国がTikTokについてこれまで行ったことは、ギャングが合法的な企業に理不尽で不公正な事業契約を強要する行為とほぼ同じ」とした。
バイトダンス、オラクル、ウォルマートは、TikTokの米事業継続を可能にするための合意案の条件について異なる説明を行っている。米政府はTikTokの米事業が米企業に売却されなければ、安全保障上の理由からアプリの利用を禁止する方針を示している。
バイトダンスはTikTokの世界事業のほとんどを所有することになるTikTokグローバルについて、同社が80%株式を保有する株主になると説明。
一方、オラクルとウォルマートは両社と米国の投資家が合わせてTikTokグローバルの過半数株式を取得するとしている。
チャイナ・デーリーの社説は「米政府は、米企業をしのぐ外国企業の台頭を抑える際、国家安全保障を武器に選ぶようになった」と指摘。
「バイトダンスはTikTokの支配権だけでなく、自らが作り出し、所有する核心的技術も失うことになる」とした。「中国政府がそのような合意を承認する理由は何もない」と強調した。
中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は21日遅くに掲載された社説でTikTokを巡る合意案を中国政府が承認する可能性は低いと指摘。
同紙が22日遅くに掲載した社説は「大国である中国は米国の脅迫に屈することはない。中国の卓越したハイテク企業の支配権を恐喝者に明け渡しもしないだろう」とした。