[パリ 22日 ロイター] - 仏高級ブランド大手LVMH (PA:LVMH)が米宝飾品大手ティファニー (N:TIF)の買収を断念した問題で、フランス大統領府がルドリアン外相に対し、買収の先延ばしを要請する書簡を出すように求めていたことが分かった。書簡が出された経緯に詳しい関係者が22日までに、ロイター通信に語った。
LVMHはティファニーを160億ドルで買収する計画だったが、11月24日までの期限に取引を完了できなくなったと発表。今月に入り、ティファニーが買収完了を求めて米裁判所へ提訴するなど法的な争いに発展している。
LVMH側は、仏外務省から来年1月まで買収を先送りするよう求める、ルドリアン外相の署名入りの書簡を受け取ったと明かしていた。関係者によれば、仏大統領府がルドリアン氏に書簡を作成するよう指示したという。
ルドリアン氏は22日の議会で、米国と貿易摩擦が続く中、LVMH側から外務省が問い合わせを受けており、助言を行うのは当然だとの認識を示した。
これに対し、LVMHの広報担当者は、自社が仏政府に書簡を求めたことはないと改めて否定した。
ティファニーは仏政府の介入についてコメントを拒否した。
新型コロナウイルス危機により、高級ブランドには逆風が吹く中、LVMHはティファニーを高値つかみをするのではないかとの疑問が高まっている。