[台北 15日 ロイター] - 台湾国防部(国防省)は15日、頼清徳副総統の米国立ち寄りを中国政府が非難したが、中国軍はこれまでのところ台湾周辺で大規模な軍事演習や活動を行っていないと述べた。
中国政府は13日、頼氏の米国立ち寄りを強く非難し、自らの主権を守るため強硬な措置を講じると表明していた。
複数の台湾当局者は、中国が来年の台湾総統選を控え、台湾の有権者に戦争の恐怖を植え付けるため、頼氏の米国立ち寄りを口実に今週、台湾周辺で軍事演習を実施する可能性が高いと述べている。
台湾国防部の報道官は、台湾周辺での中国の軍事活動を追跡するのは軍の責任だと発言。「軍は中国共産党のあらゆる活動に際し『敵を恐れず、挑発せず』の原則を堅持する」とし、国防部が警戒を緩めることはないと述べた。
国防部の定例報告によると、15日午前までの24時間で中国軍機5機が台湾の防空識別圏に入った。台湾の防空識別圏には近年、ほぼ毎日、中国軍機が入っている。
中国外務省の汪文斌報道官は、台湾周辺で軍事演習を実施するのかとの質問に「主権と領土の一体性を守るため断固とした措置を講じる」と改めて表明。詳細には触れなかった。
頼氏はサンフランシスコ経由で18日早くに台北に戻る予定。
中国が前回、台湾周辺で軍事演習を実施したのは今年4月。マッカーシー米下院議長とカリフォルニア州で会談した台湾の蔡英文総統が台湾に戻った翌日に軍事演習を開始した。