- 4分の3の主要インデックスは最高値を更新。 ダウ平均は最高値まで2.5%離れている
- 最高値更新は逆風になり市場に影響する可能性はある。
- しかし、強い米国経済により貿易戦争などの懸念に打ち勝つ可能性。
- 原油(WTI)は、イランへの制裁やベネズエラの生産問題によって高騰。しかし、強いドルにより抑えられている。
米国株は先週前半、アメリカとメキシコの2国間貿易が進み、先週急激な上昇をみせたが、カナダとの貿易交渉は合意に至らず、週次で得られた上昇分が削られた。先週末の更なる市場への圧力は、トランプ大統領が2000億相当の中国製品に関税を課すことを警告したことだ。投資家にとって大事なのは、週次、月次の上昇を信頼していいのかということである。 S&P 500は 5ヶ月連続の上昇である一方、ダウ平均では月間で2番目の上昇率をみせた。しかし、先週は週末に近づくにつれ下落しているという事実がある。
一見、株式は上昇トレンドを続けるように見えるが、投資家は貿易戦争などの潜在的な下落リスクや、テクニカル的なシグナルに対して備えるべきである。先週末レイバー・デーに先駆けて、金曜日の米国株価は閑散とし一定の方向性はなく、まだら模様だった。同日、アメリカとカナダは合意に至らなかったが、貿易交渉が今週再開すると伝えられている。
先週金曜日、S&P 500は0.01%の上昇のみだった。週次での上昇は0.3%であり最高値を記録したが、貿易の懸念により1.4%の上昇を削ぎ落とされた。The SPX は前回高値から0.52%上昇した。
テクニカル的には、S&P 500の軌道は他の主要な米国インデックスの動向と重なる。最長の強気相場の中で高値を迎えた後、調整ののちにモーメンタムは下落することを示している。
ダウ平均は金曜日に0.09%下落し、週次では0.68%の下落した。これにより1.46%の上昇が削られた。ダウ平均は1月下旬につけた最高値からあと2.51%まで迫った。
ナスダック は金曜日、0.26%上昇した。これは水曜日につけた終値より15ポイントだけ少なく、木曜日につけた最高値よりも0.29%少ない。テクノロジー株が多くあるナスダックは5ヶ月連続の上昇である。
中小企業で構成される Russell 2000は、貿易戦争の影響を受けないインデックスとして金曜日に0.48%伸ばし最高値付近まで上昇した。このインデックスは他の主要な米国インデックスと同様に週次0.87%上昇した。また、先週により5週連続の上昇であり、6ヶ月連続の上昇である。
株式は好調な経済を受け、上昇トレンドか?
米国経済は順調に成長に向かっており、 GDP は4.1%から4.2%に修正された。しかし、一般的な見解では、このピークは縮小するのではないかと考えられている。米国の減税の短期的な刺激や連邦政府の支出は弱まっていくと考えられている。総合的にみると、2018年は3%の経済成長が見込まれている。
消費者に焦点を当てた指標が先週発表され、これらは米国株式に明るい見通しを強めた。全国産業審議会の 消費者信頼感指数は2000年以来最も高い水準になった。また、8月のミシガン大学消費者信頼感指数 は市場予測より高く修正された。結論的には、消費者は堅調な労働市場や、賃金の上昇に対し好意的に反応しているということだろう。
消費者の楽観は、株式や市場全体に対し明るい見通しを持ち続けるために絶対に必要だ。消費者の支出は経済活動そのものを表し、アメリカのGDPの約70%を占める。
しかし、住宅市場は引き続き停滞している。ケース・シラー住宅価格指数は前年比6%増だが、これは2年間でもっともスローペースである。通常の住宅市場のスローダウンとは違って原因は需要の縮小からくるものではなく、建築資材の値上がりや労働力不足などにより供給が逼迫していることによるものである。