- 回復傾向の決算発表は、主要インデックスを下支えしている。一方、欧州株は揺らぐ。
- サウジアラビアと米国間の問題は、原油相場に影響を与えている。
- 国債利回りは上昇、金も上昇、円は下落
重要なイベント
モルガン・スタンレー (NYSE:MS)やブラック・ロックなどの好調な決算発表は、今朝のS&P 500、 ダウ、ナスダック 100を下支えしている。また、ネットフリックスの決算発表が本日に控えており、これはテクノロジーの大企業の中では最初の第3四半期の発表である。
STOXX Europe 600は勢いを失い22ヶ月の安値まで下落したが、ディフェンシブ株に助けられやや反発している。
アジア株式市場は、強弱がまちまちだ。米中間の通商問題が近いうちに解消されるという期待がアジアのインデックスに反映されている。しかし、中国は深セン総合指数が1.95%下落し、2014年7月の安値に達している。そして、 上海総合指数は0.85%下落し2014年の11月の安値まで落ちた。
この中国株の不調は、消費者物価指数が4ヶ月連続上昇していることが発表された後からである。これは、投資家がなぜ中国に対し悲観的なのかという疑問が高まる。中国の9月の消費者物価指数は前月の2.3%から2.5%上昇しており、これは主に食品価格上昇によるものである。
また、日本の 日経225は、1.25%上昇し好調であった。この背景には、昨日は円高傾向から円安傾向になり輸出に頼っている企業に影響したと考えられる。
世界のマーケット
月曜日、 テクノロジー株の下落によって米国株は下落した。テクノロジー企業が多く上場しているナスダック総合指数は不調であった(-0.88%)。中小企業が多く上場するラッセル2000は唯一主要インデックスの中でプラスに終わった。
中国への追加関税や、中国の2016年の米大統領選への干渉に対するトランプ米大統領のコメントは、おそらく米国株式の重荷になるだろう。テクニカル的には、 S&P 500 とナスダックは200日間の移動平均線を下回り、ダウ平均は100日間の移動平均線を下回っている。これらのインデックスは、先週の金曜日に反発する前の水準までに戻っている。
ラッセル2000はまだ200日間の移動平均線を水曜日に下回ってから元の位置まで回復していない。
バンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)は決算発表で投資額や手数料の減少を発表後に下落した。これは、激化するシャドーバンキング(ヘッジファンド等)の環境の影響を受けている。バンク・オブ・アメリカは債券関係損益が29%減少しており、これは予想の2倍悪い数字である。合計収益は18%減少している。この株価の下落は、JPモルガンチェイス (NYSE:JPM)が1%だけ引受けとアドバイザリーの手数料を下げた影響が効いている。バンク・オブ・アメリカ株は1.9%下落し、7月の安値より1セントだけ高い29.92ドルで終値を迎えた。
Harris Corp (NYSE:HRSとL3 Technologies Inc (NYSE:LLL)は、対等合併するという発表をうけて上昇している。合併すれば、米国で6番目に大きい防衛請負業者になる。
一方で、 米10年債利回りは急上昇している。一週間近くで最高値を付けようとし、リスクオフの風潮を加速させている。
先週の下落は、10年債の利回りが3.25%まで上昇し、恐怖指数の上昇を加速させたことにより、投資家の利確売りによって引き起こされた。米国の主要インデックスが大事な移動平均線のラインを割ろうとも、上昇トレンドラインは崩れていないのでこれからも株式は上昇するという見通しは変わらない。
商品先物市場では、米国とサウジアラビアの間でワシントン・ポストのジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏の失踪が話題の中で、原油が8月の上昇トレンドラインをテストしている。
金は昨日の段階で心理的にキリがいい1230ドルまで上昇し、100日間の移動平均線の水準まで這い上がってきた。
為替では、NZドル が、アナリストの予測を インフレが上回ったことで上昇している。EU離脱交渉について停滞していたが、メイ英首相が融和的なトーンを強めたため英ポンドは安定している。金曜日に裁判所が2年間の拘留後、米国人牧師であるアンドリュー・ブランソン牧師を開放した。これにより トルコ・リラは上昇に拍車をかけ、7日連続で値を上げたが、現在は停滞している。