[3日 ロイター] - <為替> 新型コロナウイルスの流行に伴う景気の落ち込みが最悪期を脱したとの期待からリスクオン相場が継続し、ドルは主要通貨に対して11週ぶりの安値を付けた。
ウェルズ・ファーゴは調査リポートで「相場の勢いは継続中」とした上で「ドルの値下がりは魅力的な買い機会と捉えられるものの、短期的に一段と下落する可能性もある」と述べた。
ドルは通貨バスケット (=USD)に対し0.32%安の97.26。一時97.18と3月12日以来の安値を付けた。
ドル/円
豪ドル
ユーロ/ドル (EUR=)は0.65%高の1.1242ドル。4日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、新型コロナ対策であるパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模拡大が決定される見込み。
<債券> この日発表された指標で雇用の落ち込みの緩和が示されたことを受け、安全資産からリスク資産に資金がシフトし、国債利回りが上昇した。
終盤の取引で10年債 (US10YT=RR)利回りは8.6ベーシスポイント(bp)上昇の0.7656%と、4月以来の高水準となった。2年債 (US2YT=RR)利回りは3.2bp上昇の0.1998%。
2年債と10年債の利回り格差 (US2US10=RR)は56bpと、前日から約4bp拡大し、3月以来の高水準となった。
エバーコアISIの調査アナリストは、市場では米経済は比較的早期に回復するとの期待が出ているとし、中西部ミネソタ州で発生した白人警官の暴行による黒人男性死亡事件を受け、全国的に広まった抗議活動も暴力的な様相は収まりつつあると指摘。「世界が終わるわけではないとの見方が市場で出ている」と述べた。
<株式> 続伸。ダウ平均株価 (DJI)は527ドル値上がりしたほか、ナスダック総合指数 (IXIC)も過去最高値に迫った。全米で激化する抗議デモや新型コロナウイルス流行を巡る警戒感は漂うものの、景気回復期待が相場を押し上げた。 投資家は週末に発表される5月の雇用統計に注目している。
金融株や工業株、ハイテク株などが買われた。S&P総合500種指数 (SPX)とナスダック指数は4日続伸。ナスダックは2月に付けた最高値まで1.4%に迫った。S&P500は最高値まで7.8%、ダウ平均は11.1%。
個別銘柄では、航空機大手ボーイング (N:BA)が12.9%高。著名投資家のダニエル・ローブ氏率いるヘッジファンドのサード・ポイントが同社株を取得したことを発表。
配車サービス大手リフト (O:LYFT)は8.7%高。5月の利用者は前月比26%増加した。新型コロナ感染拡大に伴う行動規制を段階的に緩和している都市を中心に需要が伸びた。
ビデオ会議サービスのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ (O:ZM)は7.6%高。年間売上高の見通しをほぼ2倍に引き上げた。新型コロナの感染拡大を受けたロックダウン(封鎖)措置で在宅勤務をする人や友人とオンラインでつながる人が増える中、ユーザーが急増しているという。
<金先物> 新型コロナ感染拡大で打撃を受けた景気が回復に向かうことへの期待感を背景に続落。中心限月8月物の清算値は前日比29.20ドル(1.68%)安の1オ ンス=1704.80ドル。一時1700ドルを割り込む場面も。
<米原油先物> 主要産油国による減産継続への期待から続伸。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値は前日比0.48ドル(1.30%)高の1バレル=37.29ドルとなった。時間外取引では一時38.18ドルまで上昇。3月6日以来約3カ月ぶりの高値となった。8月物は0.53ドル高の37.59ドルだった。
週内に開かれるとみられているサウジアラビアやロシアなど主要産油国による石油輸出国機構(OPEC)プラスが、新型コロナ感染拡大による石油需要の落ち込みに対応する大幅な協調減産を継続するとの期待から、時間外に大きく上昇した。ただ朝方、米メディアが週内の会合開催を見送る可能性を報道。減産継続に向けた交渉が難航しているとの懸念が強まり、先物価格は急落。その後買い戻す動きも出たが、「減産延長の時期や規模をめぐっては不透明感が残る」(米エコノミスト)との声があった。
同日、米エネルギー情報局が発表した週報では、原油在庫の減少は続いているものの、ガソリン在庫が市場予想を超える増加となった。市場では、経済活動再開に伴う需要回復が緩やかになるとの懸念が広がった。
ドル/円 NY終値 108.89/108.91
始値 108.71
高値 108.98
安値 108.49
ユーロ/ドル NY終値 1.1232/1.1236
始値 1.1198 (EUR=)
高値 1.1256
安値 1.1185
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 93*07.00 1.5332% (US30YT=RR)
前営業日終値 94*15.00 1.4790%
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*27.00 0.7458% (US10YT=RR)
前営業日終値 99*15.00 0.6800%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*14.00 0.3639% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*21.00 0.3190%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.75 0.1919% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*29.25 0.1680%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 26269.89 +527.24 +2.05 (DJI)
前営業日終値 25742.65
ナスダック総合 9682.91 +74.54 +0.78 (IXIC)
前営業日終値 9608.38
S&P総合500種 3122.87 +42.05 +1.36 (SPX)
前営業日終値 3080.82
COMEX金 8月限 1704.8 ‐29.2
前営業日終値 1734.0
COMEX銀 7月限 1795.8 ‐30.2
前営業日終値 1826.0
北海ブレント 8月限 39.79 +0.22 (LCOc1)<0#LCO:>
前営業日終値 39.57
米WTI先物 7月限 37.29 +0.48 (CLc1)<0#CL:>
前営業日終値 36.81
CRB商品指数 135.0094 +0.8942 (TRCCRB)
前営業日終値 134.1152 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200603T215815+0000