[4日 ロイター] - <為替> ドルが下落した。8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが鈍化し、新型コロナウイルス禍からの経済回復が鈍化しているとの懸念から、序盤は安全通貨であるドルが買われたが、午後に入りリスク資産が切り返すにつれ、ドル売りが強まった。
雇用統計を受け、ドル指数 (=USD)は1週間ぶりの高値に浮上。ただ、米主要株価指数が午後に1カ月ぶりの安値から値を戻したことで下げに転じた。終盤は0.10%安の92.752。
投資家は長期的なドル安を視野に入れている。
TDセキュリティーズのシニア外為ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は「リスク面で大きなサプライズがない限り、ドル高は薄れていく」と述べた。
ユーロは週初に2018年以降で初めて1.20ドルを回復。ただ、欧州中央銀行(ECB)のレーン専務理事兼主任エコノミストが金融政策にとってユーロ/ドルの水準は「非常に重要」とし、ユーロ高がECBの想定よりも過度に速く強いことを示唆したため、その後軟化した。
イッサ氏は来週のECB理事会が注目とし、声明でユーロ高に言及されれば、外為市場に大きな影響を与える一方、質疑応答などで取り上げられる程度なら影響は乏しいとの見方を示した。
この日のユーロ (EUR=)は横ばいの1.184ドル。
<債券> 国債利回りが上昇(価格は下落)。雇用統計で失業率が改善したことや、来週の国債入札への警戒感から売りが優勢となった。
10年債利回り (US10YT=RR)は9.1ベーシスポイント(bp)上昇し0.7131%。
ジャニー・キャピタル・マネジメント(フィラデルフィア)のチーフ債券ストラテジスト、ギー・ルバ氏は「債券市場は雇用統計を経済のポジティブ材料と受け止めた」と指摘した。
入札関連では来週、3年債500億ドル、10年債350億ドル、30年債230億ドルの入札が実施される。先月行われた30年債入札は260億ドルと過去最高額となる中、需要が低調だった。
ジェフリーズ(ニューヨーク)の短期金融市場エコノミスト、トム・サイモンズ氏は「入札はリオープン(銘柄統合)となるため、市場での消化は一層困難が予想される」と述べた。
週明け7日はレーバーデーのため休場となる。
2年債利回り (US2YT=RR)は2.2bp上昇し0.1468%。2年債と10年債の利回り格差 (US2US10=RR)は56.40bpと、前日から5.8bp拡大した。
<株式> 続落。しかし、取引終盤にかけて売りが和らぎ、主要株価3指数はこの日の安値から戻して終了した。
ナスダック総合 (IXIC)は一時、2日に記録した過去最高値から最大9.9%下落。しかし、ハイテク大手のアップル (O:AAPL)、マイクロソフト (O:MSFT)、アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)、フェイスブック (O:FB)が終盤にかけて下げ幅を縮小する中、下げ渋る展開となった。
ソフトバンクグループ (T:9984)がここ数週間の米国株の上昇局面で、オプション市場に多額の資金を投じたとの報道を受け、ハイテク優良株のバリュエーションが高すぎるとの懸念が深まった。
チャールズ・シュワブのチーフグローバル投資ストラテジスト、ジェフリー・クレイントップ氏は「過去数日、とりわけ前日に弱含みの兆候が見られた後、ソフトバンクに関する報道は火に油を注いだ」と述べた。
週足ではS&P総合500種 (SPX)が2.31%安と、6週間ぶりに下落した。ダウ工業株30種 (DJI)も1.82%安、ナスダックも3.27%安。また、ナスダックのこの2日間での下げは3月17日以来最大となった。
この日の取引では、S&P総合500種 (SPX)の主要11セクター中、通信サービス (SPLRCL)、一般消費財 (SPLRCD)、情報技術 (SPLRCT)の下げがきつかった。この日プラス圏で引けたのは金融 (SPSY)などの3セクターのみだった。
S&P1500航空株<.SPCOMAIR>は1.85%高。
投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX、恐怖指数) (VIX)は午前の取引で約11週間ぶりの水準に上昇。その後は下げに転じた。
個別銘柄ではアップルのサプライヤーで半導体大手のブロードコム (O:AVGO)が3%高。8─10月売上高見通しが市場予想を上回ったことが好感された。
<金先物> 米失業率の大幅な改善などを受けて売られ、3日続落となった。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比3.50ドル(0.18%)安の1オンス=1934.30ドル。週間では2.06%(40.60ドル)安となった。
<米原油先物> エネルギー需要の先細り懸念が再燃する中、3日続落した。米国産標準油種WTIの10月物の清算値(終値に相当)は前日比1.60ドル(3.87%)安の1バレル=39.77ドルと、中心限月ベースで7月30日以来約1カ月ぶりの40ドル割れとなった。11月物は1.57ドル安の40.15ドルだった。
ドル/円 NY終値 106.23/106.26
始値 106.17
高値 106.49
安値 106.16
ユーロ/ドル NY終値 1.1838/1.1842
始値 1.1846 (EUR=)
高値 1.1854
安値 1.1782
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*20.00 1.4734% (US30YT=RR)
前営業日終値 100*27.00 1.3410%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*02.50 0.7213% (US10YT=RR)
前営業日終値 100*01.00 0.6220%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.00 0.3006% (US5YT=RR)
前営業日終値 100*02.00 0.2370%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*30.63 0.1468% (US2YT=RR)
前営業日終値 100*00.00 0.1250%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 28133.31 -159.42 -0.56 (DJI)
前営業日終値 28292.73
ナスダック総合 11313.13 -144.97 -1.27 (IXIC)
前営業日終値 11458.10
S&P総合500種 3426.96 -28.10 -0.81 (SPX)
前営業日終値 3455.06
COMEX金 12月限 1934.3 ‐3.5
前営業日終値 1937.8
COMEX銀 12月限 2671.2 ‐16.3
前営業日終値 2687.5
北海ブレント 11月限 42.66 ‐1.41 (LCOc1)<0#LCO:>
前営業日終値 44.07
米WTI先物 10月限 39.77 ‐1.60 (CLc1)<0#CL:>
前営業日終値 41.37
CRB商品指数 149.6932 ‐0.7264 (TRCCRB)
前営業日終値 150.4196 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200904T213916+0000