執筆:Noreen Burke
Investing.com -- 金曜日に発表される3月の米雇用統計は、5月のFOMC会合を前にした最後の月例雇用関連指標として、注視されることになる。それに先立ち、経済カレンダー上ではインフレに関する最新情報が発表される予定で、忙しい1週間となりそうだ。ウクライナ情勢や原油価格も、2022年第1四半期が終了するまでの市場心理を左右し続けるだろう。週を始めるにあたって知っておくべきことは以下の通りだ。
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雇用統計
金曜日に発表される3月の非農業部門雇用者数は、FRBの利上げ予想が積極的に行うのか、それとも消極的なものに留めるのかを市場が見極めるのに役立つだろう。
エコノミストは、2月に67万8000人の雇用が創出された後、3月は475,000人雇用を増やしたと予想している。平均時給は前年比で5.5%増加し、失業率は{{ecl-300||3.7%}に下がると予想される。
労働市場が引き続き好調であることが示唆されれば、FRBが高騰するインフレを抑制するため、より積極的なペースで利上げを実施する根拠となるだろう。
FRBは3月16日に25bpsの利上げを行ったが、それ以降パウエル議長は、景気後退を誘発する恐れがあるにもかかわらず、FRBは正当な理由があれば50bps単位で利上げを行う用意があることを示唆している。
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インフレ関連データ
雇用統計に先立ち、米国では木曜日に2月の個人所得と個人消費の統計が発表される予定だ。この経済指標には、FRBが注視するインフレの指標である個人消費支出のデータが含まれている。
エコノミストは、コアPCE価格指数が年率5.5%上昇し、FRBのインフレ目標2%を大きく上回ると予想している。
経済カレンダーには、この他消費者信頼感、求人数、民間雇用、新規失業保険申請件数、ISM製造業PMIも新たに発表される。
また、週明けにはニューヨーク連銀のWilliams総裁、フィラデルフィア連銀のHarker総裁、アトランタ連銀のBostic総裁、リッチモンド連銀のBarkin総裁が公の場に登場する予定となっている。
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原油価格
先週、原油価格は3週間ぶりに上昇し、ブレント原油は11.5%以上、WTIは8.8%上昇した。
原油価格は、主要供給国であるロシアのウクライナ侵攻に対する報復措置として制裁を受ける中、年初から50%上昇し、急騰している。
原油価格の上昇はインフレ期待を煽り、パンデミック時代の刺激策が誘引したインフレは一過性であろうという世界の中央銀行の期待を裏切っている。
パウエル議長は先週月曜日、米国経済は1970年代よりも明らかにオイルショックに耐えることができる、と述べた。米国は世界最大の石油生産国である。しかしそれでもパウエル議長は、前述の通り、数日前に行われたFRBの利上げ後の記者会見よりも、インフレに対して厳しい意見を述べた。
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株式市場
米国株式市場の主要3指数は先週、ナスダックとS&P500がそれぞれ2%と1.8%上昇し、ダウ工業株30種平均は0.3%の上昇に留まった。
米国債利回りは金曜日に急上昇し、ベンチマークとなる米国10年最利回りはほぼ3年ぶりの高値となった。市場は高いインフレと、それへの対応のためFRBの急激な金融引き締めによって景気後退を引き起こしかねないリスクを懸念している。
アトランタ週のGlobalt Investmentsのポートフォリオ・マネジャー、Keith Buchanan氏はロイターの取材に対し、株式市場は金利上昇を織り込んでいると語った。
それが銀行株をアウトパフォームさせる一方で、グロース株など「市場のリスク・ファクターにプレッシャーを与えている」と同氏は言う。
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ユーロ圏のインフレ
ユーロ圏のインフレ関連データは金曜日に発表され、エコノミストはエネルギー価格の高騰を背景にCPIが過去最高となる6.5%に達すると予想している。
欧州中央銀行は利上げを急がない方針を示しているが、インフレ目標が2%であることから、今年中に1~2回の利上げを求める関係者がいても不思議ではない。
インフレ率が高水準で推移すれば、彼らの主張はさらに強まるだろう。しかし、債券市場も利上げを示唆しており、年末までにそれぞれ10bpsずつ5回の利上げを織り込んでいる。
ドイツの2年国債利回りは3月までに30bps上昇し、2011年以来最大の月間上昇幅となる見込みである。ECBがインフレを促進するために債券を買い入れる中、マイナス金利の領域で数年を過ごしてきたが、早くも0%に近づいている。
--ロイターの報道を基に当記事を執筆