[29日 ロイター] -
(カッコ内は前営業日比)
FT100種総合株価指数(ロンドン) .FTSE 終値 6620.48(‐133.22) 前営業日終値 6753.70(‐54.12)
クセトラDAX指数(フランクフルト) .DAX 終値 11083.20(‐409.23) 前営業日終値 11492.43(+19.30)
CAC40種平均指数(パリ) .FCHI 終値 4869.82(‐189.35) 前営業日終値 5059.17(+17.46)
<ロンドン株式市場> 続落。ギリシャと債権団の金融支援延長をめぐる交渉が決裂 したほか、ギリシャが資本規制を導入したことで市場心理が悪化した。 ギリシャは28日、金融システムの崩壊を回避するため国内銀行を休業にした。これ を受けFT350種銀行株指数 .FTNMX8350 は2.22%低下した。 ギリシャのチプラス首相は債権団が求める財政緊縮策の賛否を問う国民投票を7月5 日に実施すると発表した。 Bキャピタル・ウエルス・マネジメントのマネジングディレクター、ローネ・バーリ ング氏は「国民投票によって決断を下すのはポピュリストらしい動きで、債権団との合意 の可能性は減る。そのことが市場の嫌がる不確実性をもたらすことになる」と指摘する。 旅行・レジャー関連株も値下がりした。欧州の人々にとって人気の旅行先であるギリ シャでの混乱のほか、チュニジアで26日に発生した襲撃事件を受け旅行会社が何千人も の旅行客を同国から避難させているとの報道が売り材料となった。 欧州最大の旅行会社TUIトラベル TUIT.L は7.1%値下がりした。FT100種 の中で最も著しい値下がりとなった。英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)を傘下に 持つインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG) ICAG.L は4.1%、格安 航空会社(LCC)イージージェット EZJ.L も2.1%それぞれ下落した。 鉱業株指数 .FTNMX1770 は0.69%下落した。世界最大の金属資源消費国である中 国で株式相場が続落したことが悪材料。ただ、比較的安全とされる金に逃避買いが入り、 金鉱大手ランドゴールド・リソーシズ RRS.L と金・銀生産のフレスニロ FRES.L はプラ ス圏で取引された。
<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。ギリシャが国内銀行を休業とし、資本規 制を導入したことが嫌気され、南欧諸国の銀行株を中心に相場が下落した。 FTSEユーロファースト300指数 .FTEU3 は、43.81ポイント(2.78% )安の1530.27で取引を終えた。DJユーロSTOXX50種指数 .STOXX50E は 152.47ポイント(4.21%)安の3468.90だった。1日の下落幅としては 2011年以来約4年ぶりの大きな値下がりとなった。 投資家の不安心理の度合いを示すユーロSTOXX50ボラティリティ指数 .V2TX は約半年ぶりの高水準に達した。 STOXXユーロ圏銀行株指数 .SX7E は時価総額で約300億ユーロ(333億ド ル)が吹き飛んだ。ギリシャのユーロ圏離脱が現実味を帯びる中、投資家は影響が連鎖的 に波及することを不安視した。 ただこの日は、狼狽売りの状況とまではならなかった。依然として欧州の株式相場は 年初来約10%値上がりしている。 市場では、欧州中央銀行(ECB)が長期にわたる金融市場の混乱を回避するために 手を打つと見込み、買いの機会を探し始めたという声や、「グレグジット(ギリシャのユ ーロ圏離脱)」は起きない方に賭けているといった声が聞かれた。 NNインベストメント・パートナーズのストラジスト、ヴァレンタイン・ファン・ニ ューウェンハウゼン氏は「金融市場の反応は悲観的だったが、パニックという感じはしな い」と指摘。 この日はアテネ株式市場は休場となったため、米国株式市場に上場しているギリシャ 銘柄に売りが集中した。ギリシャ・ナショナル銀行(NBG) NBGr.AT の米国預託証券 (ADR)は約30%安となった。グローバルXFTSEギリシャ上場投資信託(ETF ) GREK.K は約16%下落した。 ギリシャが欧州経済の中で占める割合は小さいものの、ポルトガルやスペインなどの 周辺国への波及懸念が強まった。ポルトガルのPSI─20指数 .PSI20 は5.22%、 スペインのIBEX35指数 .IBEX は4.56%低下した。