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NY市場サマリー(21日)ダウ509ドル安、ドル指数6週ぶり高値

発行済 2020-09-22 06:52
更新済 2020-09-22 06:54
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[21日 ロイター] -

<為替> 新型コロナウイルス感染拡大を巡る懸念で世界的な株安となる中、ドル指数が約6週間ぶりの高水準を付けた一方、高リスク通貨は下落した。

欧州で新型ウイルス感染が再度拡大し、英国などでロックダウン(都市封鎖)の懸念が高まる中、米株価はこの日も下落。外国為替市場ではユーロ (EUR=EBS)のほか、豪ドルやノルウェークローネなどが対ドルで下落した。

米国では最高裁判所のリベラル派女性判事、ルース・ギンズバーグ氏の死去を受け、追加新型ウイルス経済対策の行方を巡る不透明性が高まっている。トランプ大統領はこの日、ギンズバーグ最高裁判事の後任を早ければ25日に発表すると表明。選挙前に議会での指名承認採決に持ち込みたい考えだ。

メルク・インベストメンツのプレジデント、アクセル・メルク氏は「典型的な『リスクオフ』環境で、安全資産への資金の逃避が起きている」と指摘。「大統領選を控えた先行き不透明性が意識されている。最高裁判事の指名を控え、どの方向にも動き得る」と述べた。

ドルはアジア取引時間帯では低調だったが、欧米で株式相場が大きく下落したことを受け、欧米の取引時間帯で上昇。主要6通貨に対するドル指数 (=USD)は一時8月中旬以来の高値を付けた。終盤の取引では0.65%高の93.559。

エクスチェンジ・バンク・オブ・カナダ(トロント)の外為戦略部門責任者、エリック・ブレガー氏は、「英国で新型ウイルス感染拡大を受け、再度ロックダウン措置が導入されるとの懸念が高まっていることが、ドルに対する安全買いを触発した主要な要因だった」と指摘。「3月の状況を彷彿とさせ、恐怖心があおられる」と述べた。

ドル/円は104.69円と、0.1%上昇。ただ日本の金融市場は祝日のために休場となっていることで、商いは薄かった。

ユーロ/ドル (EUR=EBS)は0.58%安の1.1768ドル。英ポンドも対ドルで下落し、0.82%安の1.2809ドル。

今週は、連邦準備理事会(FRB)当局者の発言が注目されている。パウエルFRB議長が22日から24日にかけて議会証言を行うほか、ブレイナード理事、シカゴ地区連銀のエバンズ総裁、アトランタ地区連銀のボスティック総裁、セントルイス地区連銀のブラード総裁、サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁らが講演などを予定。ブレガー氏は「パウエル議長、および他のFRB当局者が平均2%のインフレ達成に向けた計画の一段の詳細を示さなかった場合、ドルは今週はさらに上昇する可能性がある」と述べた。

<債券> 米株式相場が続落する中、債券市場に資金が流れ、国債利回りが低下した。

米株式市場はこの日も売られ、S&P総合500種 (SPX)は一時は7月31日以来の安値を更新し、4日続落となる見通し。市場では新型コロナウイルス感染拡大を受けたロックダウン(都市封鎖)措置の再導入に対する懸念のほか、11月の米大統領選挙、新型ウイルス追加経済対策の行方などを巡るさまざまな懸念が出ている。

終盤の取引で10年債 (US10YT=RR)利回りは2.8ベーシスポイント(bp)低下の0.666%。一時は0.648%まで低下した。

ブリン・マウワー・トラストの債券部門ディレクター、ジム・バーンズ氏は「先週末にかけて利回り曲線は若干スティープ化したが、現在市場では株式相場が注目されている」と指摘。「この日の下落だけでなく、過去数日間の下落に反応している」と述べた。

S&P総合500種は15─16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、約4%下落。この日はダラス地区連銀のカプラン総裁が、向こう2年半から3年はゼロ近辺の金利維持を迫られる可能性があるとの認識を示した。

2年債 (US2YT=RR)利回りは0.2bp低下の0.137%。2年債と10年債の利回り格差 (US2US10=RR)は52.9bp。一時は51.2bpと、9月4日以来の水準に縮小した。ただ、7月24日に付けた33bpからはまだ大幅に拡大した水準にある。

<株式> ダウ工業株30種 (DJI)が509ドル下落して取引を終えた。新型コロナウイルス感染が再拡大している欧州でのロックダウン(都市封鎖)再導入に懸念が高まったほか、米議会の追加経済対策成立がさらに遅れる見通しが出ていることも懸念要因となった。

ルース・ギンズバーグ最高裁判事の死去も、追加の景気刺激策が11月3日の大統領選前に成立する見通しを後退させた。

ダウ平均は一時900ドル下落し、投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数) (VIX)は約2週間ぶりの水準に急上昇。S&P総合500種 (SPX)は今月2日に付けた最高値から約9%後退した。

アメリプライズのチーフ市場ストラテジスト、デービッド・ジョイ氏は、経済への懸念が相場の最大の重しとし、「経済動向に敏感な業種が最も大きな影響を受けている」とし、政府と議会は刺激策第4弾に近づいていないようだと述べた。

ヘルスケア株は医療保険制度改革法(オバマケア)の先行きを巡る不透明感の高まりで圧迫され、ユニバーサル・ヘルス・サービス (N:UHS)が8.6%の大幅安。

ギンズバーグ判事の死去により、11月に開かれるオバマケアの合憲性を問う審理では合憲と違憲の票が半々に割れる可能性があると、みずほなどは指摘している。

QMAのポートフォリオマネジャー兼マネジングディレクター、エド・キャンベル氏は、「選挙前に刺激策法案を可決するという考えは隠れてしまったようだ」などと語った。

前週の下落とは対照的に、工業株 (SPLRCI)やエネルギー株 (SPNY)、金融株 (SPSY)が大幅に下落。一方、情報技術株 (SPLRCT)は上昇した。

英国などが全国的なロックダウンの可能性を示唆したことで、航空、ホテル、クルーズ船会社などが下落。

一方、ナスダック銘柄ではズーム・ビデオ・コミュニケーションズ (OQ:ZM)が6.8%高。新たなロックダウンでサービス利用が増加するとみられた。

JPモルガン・チェース (N:JPM)は3%、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン) (N:BK)は4%それぞれ下落。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)、バズフィードなど複数のメディアは20日、複数の大手銀行が内部で問題性を指摘されながらも20年近くにわたり違法とされる巨額な資金を移動させていたと報じ、関与した銀行に2行も含まれていた。

米電動トラックメーカーのニコラ (O:NKLA)は19.3%急落。空売り投資家のヒンデンブルグ・リサーチが同社に身内の登用や詐欺の疑いがあると主張したことを受け、創業者のトレバー・ミルトン氏が会長職を退任したと発表した。同社の株式11%を取得すると今月発表したゼネラル・モーターズ(GM) (N:GM)は4.8%下げた。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を5.94対1の比率で上回った。ナスダックも4.25対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は106億2000万株だった。

<金先物> ドル高・ユーロ安に伴う割高感から売られ、大幅反落した。中心限月12月物の清算値は前週末比51.50ドル(2.62%)安の1オンス=1910.60ドル。

欧州で新型コロナウイルス感染が急拡大する中、景気悪化懸念が再燃。外国為替市場では、ドル買い・ユーロ売りが進行した。これを受けて、ドル建てで取引される金は割高感から売られやすくなった。欧米の株価が大幅下落する中で、換金目的の金売りも出たもよう。

<米原油先物> 需給の緩みに対する警戒感が強まり、5営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値(終値に相当)は、前週末比1.80ドル(4.38%)安の1バレル=39.31ドル。11月物は1.78ドル安の39.54ドルだった。

リビア東部を支配する軍事組織のハフタル司令官は18日、エネルギー収入を公平に配分することでトリポリ政府と合意したとして、石油生産の封鎖措置を1カ月解除すると発表。同国の原油生産再開で市場の供給過剰感が増幅されるとの警戒感が台頭した。また、英国やフランス、スペインなどの欧州諸国で新型コロナウイルス感染者数が急増していることも、エネルギー需要の回復鈍化懸念につながった。

ドル/円 NY終値 104.64/104.66

始値 104.03

高値 104.83

安値 104.02

ユーロ/ドル NY終値 1.1769/1.1773

始値 1.1789 (EUR=)

高値 1.1798

安値 1.1732

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 98*30.50 1.4181% (US30YT=RR)

前営業日終値 98*04.50 1.4520%

10年債(指標銘柄) 17時05分 99*18.50 0.6691% (US10YT=RR)

前営業日終値 99*11.00 0.6940%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*29.00 0.2691% (US5YT=RR)

前営業日終値 99*27.50 0.2790%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.13 0.1391% (US2YT=RR)

前営業日終値 99*31.13 0.1390%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 27147.70 -509.72 -1.84 (DJI)

前営業日終値 27657.42

ナスダック総合 10778.80 -14.48 -0.13 (IXIC)

前営業日終値 10793.28

S&P総合500種 3281.06 -38.41 -1.16 (SPX)

前営業日終値 3319.47

COMEX金 12月限 1910.6 ‐51.5 <0#GC:>

前営業日終値 1962.1

COMEX銀 12月限 2438.7 ‐274.2 <0#SI:>

前営業日終値 2712.9

北海ブレント 11月限 41.44 ‐1.71 (LCOc1)<0#LCO:>

前営業日終値 43.15

米WTI先物 10月限 39.31 ‐1.80 (CLc1)<0#CL:>

前営業日終値 41.11

CRB商品指数 147.8241 ‐3.7172 (TRCCRB)

前営業日終値 151.5413 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200921T215206+0000

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