中国政府は2日、米中貿易協議の中断について米国にすべての責任があると非難した。また今後のいかなる議論においても誠実さと相互尊重、平等性が必要だと強調し、貿易協議に関する白書を公表した。アジア市場は広く下げ相場となっている。
3日午後4時53分時点で上海総合指数は0.30%安、深セン総合指数は0.74%安、香港ハンセン指数は0.31%安となっている。
中国政府は2日、米国が不誠実な態度で貿易問題を引き起こしているという中国側の主張を説明する白書「中米経済貿易協議に関する中国側の立場」を発表した。
中国側は白書において紛糾する貿易戦争で「米国が返り咲く」ことはないばかりか、「全方位に対し事態を悪化させるだけ」と述べている。生産コスト増大により米国経済に悪影響を及ぼしうるとしてトランプ政権を非難した。
中国商務省の王受文商務次官は2日、先月の貿易協議が頓挫した主な原因は「米国が後退した」ことにあると述べた。
王次官は「協議の間、中国は多数の困難を乗り越え、現実的な解決策を提案してきた。しかし米国側は後退したばかりでなく、針小棒大な行動を取っている」とした。
一方、戴相竜・元中国人民銀行総裁は「仮に米中貿易戦争が拡大すれば、世界経済も後退するだろう。米中貿易戦争の影響は両国だけではなく、関連地域、さらには世界全体へと波及する。全面合意がなされるまでは何の合意もない」と警鐘を鳴らした。
中国は1日、対米報復関税を発動した。加えて米国による対ファーウェイ制裁措置を受け、中国企業の利益を損なうと判断される「信頼できない」企業のリストを作成する。これは数千社の外国企業に影響する可能性がある。
中国財新と英マークイットが3日発表した中国製造業PMIは50.2で、予想を僅かに上回る結果となった。
財新は「新規事業全体の急成長により中国製造業PMIが上昇した。僅かではあるが、PMIが上昇するのは5か月ぶりだ」と述べた。
また日経平均は0.92%安を付けている。
韓国の5月日経製造業PMIは48.4で直近3カ月で最大の低下幅となったものの、KOSPIは1.28%高。
豪ASX 200は1.19%安となっている。