4日のアジア株は軒並み値下がりしている。米中貿易戦争が市場心理を悪化させた形だ。米セントルイス連銀総裁が米国の利下げは「近く正当化される」と発言したことも注目されている。
4日午後3時33分時点で上海総合指数は1.03%安、深セン総合指数は1.18%安、香港ハンセン指数は0.90%安。
日経平均は0.01%安、韓国KOSPIは0.04%安を付けている。
一方、豪ASX 200は0.19%高を付けている。
米中貿易戦争の動向が引き続き注目されている。
3日、米トランプ政権は中国が「(米国を)非難するゲーム」を追及しており、合意に差し掛かっていた協議の重要事項について中国側が「後退させた」とした。
米通商代表や財務省は「我々の制裁関税に関する主張は決して中国の主権を脅かそうとするものではない。むしろ議論は貿易協定に終始しており、貿易赤字の原因である構造上の課題に対処しようと努めている」と述べた。
この発言は、中国が白書にて交渉後退に責任があるのは米国側だと主張したことを受けてのものだった。
一方、FOMCメンバーのブラード米セントルイス地区連銀総裁は3日、緊迫する米中貿易戦争と米インフレ率低下の中で「利下げは近く正当化されるだろう」と述べた。
「世界的に貿易の不確実性が高まっていることで、経済減速リスクが予想以上に高まり、(FRBは)成長が鈍化すると予想される経済に直面している」と同氏は指摘した。
一方シンガポールの直近のPMIも注目を集めている。同5月PMIは49.9となり、過去およそ3年で初めて50を下回った。