[16日 ロイター] - 中国株式市場は反発。世界的に投資家心理が回復したことが背景だが、あすの中国国内総生産(GDP)統計発表を控え上値は限定された。
あす発表の第1・四半期のGDPは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、公式統計が始まった1992年以降で初のマイナス成長が予想されている。
GDPについて、光大証券は市場はすでに悪い数字を想定済みと指摘。アンプル・ファイナンス(香港)は、投資家が気にしているのは中国のGDPよりも、世界各国の新型コロナの状況で、後場に入ってA株が米株価指数先物の上昇に追随したのはそのためだと説明した。
休場明けのソウル株式市場は、ほぼ変わらず。15日に中国人民銀行(中央銀行)による中期貸出制度(MLF)1年物の金利の引き下げが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的拡大)で深刻な景気後退に陥るとの懸念を相殺する形となった。
15日は総選挙のため休場だった。
総合株価指数(KOSPI)は年初来で15.50%下げている。
中国人民銀が主要金利の引き下げを発表した一方、韓国銀行(中央銀行)は16日、国内市場での流動性懸念に対応するため、証券会社向けの新たな資金貸し出しの枠組みを創設すると発表した。
海外勢は3754億ウォン(約3億0594万ドル)相当の売り越し。これで売り越しは30日連続となり、2015年9月以来の最長を記録した。
シドニー株式市場は続落して引けた。アナリストの間では、オーストラリアの失業率が今月悪化する公算が大きいとの警戒感が高まっている。さらに、米国発の弱い経済指標が投資家のリスク選好の姿勢を抑制させた。
米国の3月の小売売上高と鉱工業生産が大きく落ち込み、米大手銀行が低調な見通しを示したことを受け、新型コロナウイルスの感染拡大から受ける経済的な打撃の深刻さへの懸念が高まった。
S&P/ASX200指数は4月3日以来の大幅安となった。
シティのエコノミスト、ジョシュ・ウィリアムソン氏は、3月の失業率は予想よりも上昇しなかったが、数値は新型コロナウイルスの感染拡大以前を反映しており、4月には最大90万の失業者が出る可能性が高い、と顧客向けリポートで指摘した。
エネルギー株指数 (AXEJ)は1.6%安。原油価格は供給過剰への不安感を背景に急落。その後、上伸に転じたものの、プラス圏には届かなかった。ウッドサイド・ペトロリアム (AX:WPL)は、第1四半期の売上高の減少を発表し1.4%安となった。
主要構成指数である鉱業株指数 (AXMM)と金融株指数 (AXFJ)はそれぞれ1.5%、1.4%値を下げた。
カジノ運営事業者であるクラウン・リゾーツ (AX:CWN)、メルボルンとパースのリゾート施設の営業が一時休業したことに伴い従業員の95%を一時帰休すると発表。これを受け、序盤のマイナスを取り戻し0.5%高となった。
モルガン・スタンレーは顧客向けリポートの中で「各企業が利益予想を撤回していることを踏まえると、S&P/ASX200指数は長期の上昇を維持できないだろう」との見通しを示した。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
中国 上海総合指数 2819.9350 + 8.7609 + 0.31 2798.4295 2823.3382 2796.8388 (SSEC)
前営業日終値 2811.1741
中国 CSI300指数 3802.381 +5.018 +0.13 3777.799 3807.357 3774.559 (CSI300)
前営業日終値 3797.362
香港 ハンセン指数 24006.45 -138.89 -0.58 24025.45 24102.91 23854.79 (HSI)
前営業日終値 24145.34
香港 ハンセン中国株指数 9672.60 -52.10 -0.54 9670.61 9724.16 9627.78 (HSCE)
前営業日終値 9724.70
韓国 総合株価指数 1857.07 -0.01 0.00 1839.51 1862.23 1828.13 (KS11)
前営業日終値 1857.08
台湾 加権指数 10375.48 -71.73 -0.69 10385.78 10425.29 10317.13 (TWII)
前営業日終値 10447.21
豪 S&P/ASX指数 5416.30 -50.40 -0.92 5466.70 5466.70 5345.00 (AXJO)
前営業日終値 5466.70
(リフィニティブデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります) OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200416T103224+0000