[東京 31日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比446円82銭高の2万3329円47銭となり、急反発。前週末の米国株式市場が上昇したことが好感されたほか、安倍首相の後継に関して政策継続の期待が高まってきたことが買い安心感を誘った。
前週末の米国株式市場はハイテク株の上昇が主導し、S&P総合500種 (SPX)が6営業日連続で終値での最高値を更新。ナスダック総合 (IXIC)も反発し、終値での最高値を更新。ダウ工業株30種 (DJI)は年初来プラスを回復した。
米国株式市場の上昇が好感されたほか「安倍首相の後任候補に菅官房長官が有力視されたことで政策継続の可能性が高まった」(SBI証券・シニアマーケットアドバイザーの雨宮京子氏)との見方が広がり、マーケットに安心感を与えた。
市場では「政策を理由に相場が上下することはなくなった」(国内証券)との声が聞かれ、安倍首相辞任表明以前の相場環境に戻ったという。ただ、8月25日の高値2万3431円04銭に近づいてきたことで「政策の現状維持で安心感を誘った一方、時価より上値は重さが意識される水準。戻り売りをいかに消化していくかがポイントになる」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との指摘もある。
TOPIXは1.83%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は9831億4000万円だった。東証33業種では、卸売業、空運業、不動産業を中心に全業種が上昇となっている。
個別では、ソニー (T:6758)、トヨタ自動車 (T:7203)など主力株が一斉に買い戻されたほか、三菱商事 (T:8058)など大手商社株が米バークシャー・ハザウェイ (N:BRKa)の株式取得を手掛かりにいずれも大幅高。指数寄与度が大きいファーストリテイリング (T:9983)もしっかりだが、NTTドコモ (T:9437)など携帯電話会社が総じてさえない。
東証1部の騰落数は、値上がりが1937銘柄、値下がりが172銘柄、変わらずが58銘柄だった。